交番でお金借りれるの?警察官から公衆接遇弁償費として借りる方法とは?

  • 財布をなくして帰れなくなってしまった
  • 道端に負傷者がいてガーゼを買いたいけどお金がない

このような非常事態が起こったとき、交番でお金を借りれるのは、ご存じでしょうか。

警察官に事情を説明して、認められた場合に限り、お金を借りることができるんです。

ただし、生活費や遊ぶお金を借りることはできなかったり上限があったりと、さまざまな注意点もありますよ。

この記事では、本当に困ったときに交番からお金を借りる方法について、借りれる条件や注意点などを解説していきます。

目次

交番で警察官からお金を借りるってどういうこと?

財布を落として家に帰れなくなってしまった、家族や友人と連絡がつかない…ほかの手段がなく途方に暮れてしまった。

そんなとき、交番で相談すると警察官からお金を借りられることがあります。

警察官からお金を借りると言っても、正確には警察官のポケットマネーではなく、行政機関からお金を借りるということです。

交番の警察官からお金を借りる制度のことを、「公衆接遇弁償費」と言います。

公衆接遇弁償費は、対象として認められた場合、所定の手続き後に現金を受け取ることができる制度です。

まずは対象となる条件について見てみましょう。

交番で警察官からお金を借りれる条件4つ

お金を借りれる人の条件は、次の4つがあげられます。

  • お金を盗まれた、またはなくした場合の交通費
  • 行方不明者等の保護にあたり、応急的な措置に要する経費
  • ケガ人の保護や救護にあたる、一時的な応急措置に要する経費
  • その他公衆接遇の適正を認められた場合

お金が盗難にあった、またはなくしたときの交通費や、負傷者の保護や救護のためにかかるお金、という人が対象となります。

最近では、スマホの充電が切れて電子マネーが使えなくなってしまったり、ICカードが割れてしまったなどの理由で、帰りの交通費を借りる人もいるようですよ。

ただし、遊ぶお金や生活費は対象とはなりません。

交番で警察官からお金を借りれる上限金額

公衆接遇弁償費として借りられる金額には上限があり、東京都の場合は1,000円となっています。

意外と少なく感じた人も多いかもしれませんが、交通費程度を想定しているため、1,000円程度となっているようですね。

1,000円以上借りることもできますが、その場合は、交番の警察官には権限がありません。警察署長や地域課長など上層部の承認を得る必要があります。

なお、都道府県ごとの地域によって上限金額に差があるようですが、いずれにしても交通費程度と考えておきましょう。

交番で警察官からお金を借りれる都道府県

公衆接遇弁償費は東京都に警察本部がある警視庁が最初に定め、その後全国的にも広がってきています。現在適応されているのは、以下の9都道府県です。

東京都・北海道・岩手県・山梨県・大阪府・京都府・石川県・群馬県・熊本県

その他の自治体は独自の制度を設けていることもありますが、そもそもお金を貸す制度がないところも少なくありません。

交番で相談してもお金を借りられない場合もあるということも念頭に入れておきましょう。

状況によっては、警察官が厚意でポケットマネーから貸してくれる場合もあるようです。

中には、借りたものの返済せずに踏み倒す人もいるようで、そういった人が増えると制度自体の存続が危ぶまれてしまうという一面もあります。

借りたら必ず返すようにしましょう。

もし困ったことが起きたときは、一度交番へ相談に行ってみると解決するかもしれませんね。

交番で警察官からお金を借りる注意点

公衆接遇弁償費の注意点について見ておきましょう。

返済しないと詐欺罪で逮捕される可能性もある

公衆接遇弁償費は、警察官から一時的にお金を借りることができる制度ですが、借りたら必ず返済しましょう。

公衆接遇弁償費として借りた場合、警察からは催促状や連絡は来ないことが多いです。

また1.000円程度と少額なこともあり、返済を忘れてしまったり、日々の忙しさでつい後回しにしてしまう人も多いのが実情のようですね。

ただし、返済しなかった場合は、詐欺罪で逮捕されることもあります。

実際に交番で交通費を借りたまま返済を怠ったため、詐欺罪で逮捕されたという報道も何度かされています。

さらに、返す人が少なければ、公衆接遇弁償費自体が廃止されてしまい、本当に困ったときに交番でお金を借りれなくなってしまう可能性もあるのです。

公衆接遇弁償費は国民の税金が資金源となっています。

借りたお金は忘れずに返済するようにしましょうね。

ちなみにお金を借りた交番が旅行先や遠方だった場合は、自宅近くの交番で返済できる場合もあるようです。借りるときに確認しておくと良いでしょう。

未成年の場合は保護者の同意が必要

公衆接遇弁償費に年齢制限は設けられていないため、未成年でも利用することができます。

ただし未成年の場合は、親権者に連絡がいき、親権者の同意を得られなければお金を借りれません。

実際には保護者に連絡が行った時点で、迎えに来てくれることも多いようです。

お小遣い欲しさに交番でお金を借りよう…と考えるのは辞めたほうが無難かもしれませんね。

警察から電話が来たら、大抵の親御さんはビックリしてしまいますしね。

万が一、虐待を受けているなど家庭環境に不安がある場合は、併せて警察官に相談すると良いでしょう。

交番で警察官からお金を借りれない場合もある

  • 正当な理由として認められない場合
  • 家族が友人が迎えに来てくれる場合
  • 予算が尽きてしまった場合

残念ながら上記のような場合は、交番でお金を借りることはできません。

ギャンブルで使って手持ちがなくなってしまった、遊ぶお金が欲しい、今月の生活費が欲しいといった場合も借りることはできません。

そもそも公衆接遇弁償費の対象に当てはまらない場合は借りれませんし、連絡をして迎えに来てくれるような人がいる場合も借りれません。

交番に行く前に、今一度他の方法がないか考えてみるようにしましょう。

また公衆接遇弁償費は予算が決まっているため、予算が尽きてしまったときは借りれないこともあるようです。

そういう場合は、カードローンなど他の借り入れ方法も検討しておくとよいでしょう。

交番で警察官からお金を借りるSTEP1 公衆接遇弁償費に対応する行政機関に相談

交番でお金を借りる方法をSTEP6に分けて説明していきます。

まずSTEP1は、行政機関の窓口で相談しましょう。

公衆接遇弁償費は交番だけではなく、以下の行政機関でお金を借りることができます。

  • 交番(地区交番、駐在所も含む)
  • 警察署
  • 運転免許試験場
  • 鉄道警察隊(鉄道警察隊分駐所、連絡所も含む)
  • 地域安全センター
  • 警ら用無線自動車(パトカー)

近くに交番が見当たらない場合でも、運転免許試験場やパトカーの警察官からお金を借りられる可能性があります。

ただし駅で切符代が足らなかったときは、駅員さんからお金を借りることはできません。近くの交番を探しましょう。

また公衆接遇弁償費に年齢制限は設けられていないため、未成年者でも借りることができますが、保護者に連絡が行きます。

未成年で保護者には連絡されたくないなどといった場合は、未成年でも作れるカードローンなど、他の方法を検討するのも一つですね。

交番で警察官からお金を借りるSTEP2 警察官に借入理由を説明

交番で警察官からお金を借りる方法のSTEP2は、なぜお金を借りたいかといった借入理由を警察官に説明することです。

例えば「お金をなくしてしまって帰りの交通費がない」「ケガをした人がいるからガーゼを買いたい」などのように、お金を借りたい理由を説明しましょう。

財布を落としてしまったが、電話をすれば家族や友人が迎えに来てもらえる、というように他に手段がある場合は、交番からお金を借りることはできません。

交番に行く前に、他の方法がないかよく検討してみることをおすすめします。

他に方法がなく、やむを得ない事情の場合のみ、警察官からお金を借りれると思っておきましょう。

交番で警察官からお金を借りるSTEP3 審査

交番で警察官からお金を借りるにも、審査があります。

と言っても、金融機関のような厳しい審査ではなく、公衆接遇弁償費はあくまでも困っている人を救済するための制度のため、お金を貸し出すことができる条件に合てはまっているかどうかを判断するものです。

上でも紹介しましたが、交番からお金を借りれる条件を今一度確認してみましょう。

  • お金を盗まれた、またはなくした場合の交通費
  • 行方不明者等の保護にあたり、応急的な措置に要する経費
  • ケガ人の保護や救護にあたる、一時的な応急措置に要する経費
  • その他公衆接遇の適正を認められた場合

お金を借りようと思ったときは、この条件に当てはまっているか、チェックしてみてくださいね。

やむを得ない場合や、けが人の救護などの緊急性が高い場合は借りれることが多いようです。

警察官から認められれば借りれるので、あまり身構える必要はありませんよ。

交番で警察官からお金を借りるSTEP4 借受願書の記入

正当な理由として認められ、お金を借りることになったら、借受願書に記入します。

借受願書は、お金を借りる理由や、お金を借りる人の個人情報を記入する書類です。

以下の項目について、記入します。

  • 日付
  • 住所
  • 電話番号
  • 氏名
  • 生年月日
  • 年齢
  • 職業
  • 借受金額
  • 借受理由

記入したら、押印(指印)をします。

万が一、虚偽の申告をして交付を受けた場合、刑法246条(人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する)に当たり、罰せられる場合があります。

正しい情報を書くようにしましょう。

身分証明書の提示を求められることもありますが、財布を落としてしまった場合などは免除されます。

財布を落とした場合は、同時に遺失物届も出しておくと良いでしょう。

交番で警察官からお金を借りるSTEP5 返済書とお金を受領

借受願書を提出すると、いよいよ現金と返済書を受け取ることができます。

返済書は、お金を返すときに必要となるので、返済するときまで必ず失くさないように保管します。

お金と返済書を受け取ったら、警察官にお礼を言って交番を出ましょう。

交番で警察官からお金を借りるSTEP6 返済

交番でお金を借りる「公衆接遇弁償費」は、お金がもらえる制度ではありません。

当然ながら借りたお金は、後日必ず返済する必要があります。

返し方はとても簡単で、お金を借りた交番へ現金と返済書を持っていき、手渡しするだけです。

自宅から遠い交番の場合などは、近くの交番で返済できるケースもあります。

お金を借りるときに、併せて返済方法についても確認しておくと良いですね。

公衆接遇弁償費は、利息はなく、返済期限も設けられていません。取り立てたり通知が来ることもないと言われています。

それをいいことに、交番で何度もお金を借りて返済しなかったために逮捕された事例もあるようです。

忘れないうちに必ず返済するようにしましょう。

交番で警察官からお金を借りる方法のよくある質問

公衆接遇弁償費で借りれる上限はいくら?

公衆接遇弁償費の上限は、原則1人1,000円までとなっています。
1,000円以上貸し出す場合は、警察署長や地域課長など上層部の承認を得る必要があります。

交番で警察からお金借りるならいくらまで貸してくれる?

正当な理由と認められた場合は、1,000円まで借りれます。
ただし、正当な理由として認められなかった場合、他に手段がある場合、予算が尽きてしまった場合は借りることができません。

交番で警察官からお金を借りる方法のまとめ

交番で警察官からお金を借りることができる公衆接遇弁償費について紹介しました。

ポイントをまとめます。

  • 公衆接遇弁償費の対象:財布を落とした場合、けが人の救護に当たる場合など
  • 借りられる金額の上限は、1,000円程度
  • 借りたら返済をしないと詐欺罪で逮捕されることもある
  • 未成年の場合は、親に連絡が行く
  • 予算が尽きてしまったりして、借りられないこともある

帰宅困難など条件によっては誰でもお金を借りることができ、上限は1,000円程度までとなっています。

ギャンブルで使いこんでしまった場合や、今すぐ1,000円以上借りたい場合などは、交番よりも他の借り入れ方法を検討したほうが良いかもしれません。

本当に困ってしまったときは、お近くの交番で相談してみてくださいね。

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